清隆と姫乃が英国に留学して数ヶ月──
王立ロンドン魔法学園(通称「風見鶏」)は冬期休暇を迎えていた。
年末の生徒会役員選挙にも当選し、当初の目標に一歩近づいたはずの清隆だったが、まだまだできることは少ない。
クラスメイトたちはほとんど帰省してしまっていたので、兄妹は、留学組の仲間たちと共に新学期までの退屈な日々を送っていた。
そんな中、サクラギと名乗る男が風見鶏にやって来る。
新任の臨時講師だと彼は言うが、生徒会役員であるリッカもシャルルも巴も、そんな話は聞いていなかった。
「新任講師? 一体、何者だ?」
やがて、冬期休暇は終わりを告げ、続々と学生寮に戻ってくる仲間たち。
春の到来を予感させる新学期の鐘の音と共に、新たな円環が始まる。